Tuesday, December 21, 2010

六価クロム再び

前回のポストでエリン・ブロコビッチに言及していたら、水道水中の六価クロム hexavalent chromiumの濃度が問題になってきているようだ。ただ、こういう現象の“発見”て評価が難しいのだよね。昔、無かったのかは定かではないからなぁ。自然発生をするというのもウソではないだろう。本当の問題か、浄水業界の陰謀か。

分かっても無いのに自然の浄化力を過大評価して、mindlessに僕らの生活の様々な“ゴミ”を捨てまくることが問題なんだな。

二酸化炭素も、ゴミも、汚水も、化学物質も、自然破壊・健康被害との因果関係の有無にかかわらず、出さなくても良いものは出さないっていうコンセンサスは出来上がらないものか。

貴方の髪はきれいになる(と思い込める)かもしれないけど、そのシャンプーで水を汚していることは、いつも忘れずにいきやしょう。

Thursday, December 9, 2010

天然ガス採掘から水を守れ!!

Gasland - a film by Josh Fox (2010)


地元でPublic screeningがあったので行ってきた。


アメリカにおける天然ガス採掘にまつわる環境汚染の話。環境問題に少しでもアンテナを張っている人には珍しい話ではないと思うが、特にアメリカに住んでいる日本人は知っておいた方が良いことだ。


天然ガスと聞くと、温暖化?と思うかもしれない。


今年四月のメキシコ湾原油流出事故で、エネルギー源として、石油の使用が大きく問題視された。代替エネルギーとして、太陽光発電、風力発電などのグリーンエネルギーが脚光を浴びる一方で、密かに天然ガス業界がにんまりしていた。


12月1日のNational Geographics Daily Newsの記事によると内務長官のサラザールは、天然ガスの利用がオバマ政権のエネルギー政策の要になるとも言っている。


“First, natural gas is, in fact, an abundant resource that we control here in the United States of America,” he said. “This president is also concerned about what we do on climate change, and when you compare the emissions caused by natural gas to other forms of energy you know that it is a cleaner fuel.”


第一に、天然ガスはアメリカ国内で大量生産できる資源である。オバマ大統領は気候変動政策に関心を示しており、他のエネルギーによる二酸化炭素排出量と比較すれば、天然ガスはクリーンなガスと言える。(天然ガス燃焼時の二酸化炭素排出量は石油の半分)


地球温暖化は起こっているが(気温の上昇は事実)、それが人間活動によって引き起こされているどうかの因果関係は不明である(科学的には証明されていない)。リサイクルできるものはする、排出しなくてよいものは排出しない、なんて言うのは当然で、二酸化炭素の排出を抑えることは当たり前のことである。そういう意味で、二酸化炭素の排出を規制するのには大賛成だが、その理由付けとして科学的根拠の無い地球温暖化と二酸化炭素の関係を持ってくるのはいただけない。地球温暖化は大衆に分かりやすいため、エネルギー政策で私腹を肥やす輩には格好のプロパガンダなのである。そして、それはおおいに成功し、エネルギー業界と特定の政治家達が潤っている。大衆は、二酸化炭素排出二分の一!というわかりやすい事実に踊らされ、様々な二酸化炭素排出を抑える活動をささえ、天然ガスで走るバスなんかが、NYCでもよく見られる。


ただ、天然ガスがきれいに見えるのって、目に見えないからじゃないか?


という、問いが出てきてほしい。


原油流出は分かりやすくてよい。黒いどろどろで、海鳥が惨めに死ぬ。天然ガスは、目に見えないし、その採掘も目に見えない。健康被害もじわじわである。


この映画は、天然ガス採掘による環境汚染とその被害についてのドキュメンタリーである。天然ガス採掘は、hydraulic fracturing "fracking"(水圧破砕法)の発展と普及によって急激に広がっている。これは、高圧の水と液体化学物質を流し込んで地下の岩石層からガスを取り出す方法である。一つのガス井を掘るのに、何百万ガロン(ガロン=約4リットル)の水とともに、594種類の化学物質が注ぎ込まれる。この水はもちろん汚染されるので、回収・浄化しなければならない。使用される化学物質は生分解性のあるものは何一つ無い。さて、地中に注ぎ込まれた水と化学物質を回収するなんてできることだと思われるか?不可能である。直ちに地下水脈に流れ込んでいく。そして、このfrackingは無数の“ひび”を地中に作るために天然ガスまでもが地下水脈へと流れ込んで行く。


そうして、無数の死の川が生まれ、数多の人が何百もの有機化合物で重度に汚染された水を飲み、蛇口から出てくる水道水にライターを近づければ燃え上がるという事態になっている。エリン・ブロコビッチのPG&E事件がかわいく見えるくらいである。何せ、政府の仕業だからだ。アメリカ環境保護局(EPA)だって、助けちゃくれないのだ。


仕掛人は、悪名高きDick Cheneyである。公有地での採掘を許可し、その採掘に関連して、Clean Water Act (水質清浄法)、Clean Air Act(大気浄化法)が適用されないようにちゃんと根回しをしているのである。僕らに最も重要なSafe Drinking Water Act(安全な飲料水法)は適用外にはなっていないが、政府は被害者達に「あなたの飲料水は清浄です」と燃える水を目の前にして言い張っており、SDWAで保護されていない状態である。


もちろん、大気中へのガス漏れも深刻であり、コロラド、テキサスなど採掘の盛んな場所では喘息をはじめとする呼吸器系障害、偏頭痛や味覚の喪失などが急増している。


NYメトロポリタンエリア(PA、NJも含む)の人間がなぜこの事件を知っておかなければいけないかを書いておく。石油やガスの採掘は南部だけのことではない。実際、作者のJosh Foxはペンシルバニア出身で、そこでの事件から話が始まった。天然ガスの埋蔵場所はUpstate NYの大部分を占め、その末端にNYCの飲料水の90%を担うDelaware/Catskill watershedがある(地図)。その西側Hancock, NYでは既に採掘は始まっており, 2009年4月の時点でその土地の25%がガス採掘会社にリースされている。そして、採掘は900万の水瓶にも食い込もうとしている。


水がBlue goldと言われて久しいが、このエネルギー大国の政府は、水の価値が未だに分からないらしい。僕らの体の約60%が水だ。清澄な水は生きるのに欠かせない。きれいな水さえあれば、不出来な僕らの行いを、自然がどうにかしてくれる。水だけは守らなければいけないのだ。


最後になるが、映画自体はやや冗長で、作者の感情で描かれている感が強い。手ぶれの激しい、ホームビデオな感じもあり、二時間弱のドキュメンタリー映画としてできは良くない。内容は 40分に十分収まるものなので、子どもたちやあまり興味が無い人向けに短いバージョンを作ると良いと思う(とつぶやいておいた)。


見ることをもちろんお勧めするが、情報だけならfood&waterwatchを勧める。



Thursday, December 2, 2010

やっちゃうんだよなぁ ~ 凍った車の中から 午前三時の独り言

やっちゃうんだよなぁ

しめった雪の日に

雪をかいておかないと

車のドアが午前三時に開かなくなること

わかっているのに

やっちゃうんだよなぁ


あと五時間後に何人の人が職場玄関前ですっ転ぶんだろう

やっちゃうんだよなぁ