様々な野菜を提供し続けてくれた畑も、すっかり冬模様だ。
ハロウィーンの日に初雪が降ってから、雪がちらつく毎日で、霜もおり始めた。今日は、夏先に植えたサツマイモの収穫だ。前日のあいにくの雨で、粘土質の畑の土は芋を掘るには最悪のコンディションとしか言いようがなかった。Natural food shopで買った、Japanese yam(サツマイモ)からつるを取って植えたのと、涼しい夏に、固い粘土質の土壌と良い条件はあまりなかったが、一畳弱のベッドからそれなりの収穫を得ることができた。
そして、やはり、焼き芋となる。
職場から、フィールドを借りているので、本格的な冬が来る前にそうじをする必要がある。支柱やトマトケージ、鍬やショベルなどを片付けていた。雑草の中に折り重なるようにおいてあるジョウロたちを持ち上げると、二つのジョウロに枯れ草がこれでもかというぐらい詰まっていた。誰かの悪いいたずらかと思ったが、耳を澄ますと聞こえてきた。
「チュウ」
?!
「チュウチュウチュウチュウチュウチュウチュウチュウチュウ」
?!?!?!?!?!
詰め込まれた枯れ草を少しずつかき出すと、つぶらな瞳たち。
その数、20あまり。2ガロン(約8リットル)のジョウロに、頭数20のほ乳類である。さすが、げっ歯目。なかには、おっぱいにしがみつく小指大の赤ん坊三匹を引きずりながら歩いている母チュウ(写真下・右)。
と、私が目を離している隙に、父チュウが危険を察したのか、ジョウロを覗き込んでいた嫁に飛びかかった。かくして、父チュウvs私&嫁の大捕り物となった。トラックの後ろには、畑から引き上げた資材が満載。その間を縫いながら、父チュウは果敢な逃走を図る。
「しっぽを捕まえれば、動きが止まるはず!」
嫁は、マンガ「動物のお医者さん」で得た、まめ知識を叫ぶが、にぎり寿司のシャリ程の大きさの4WDほ乳類(野生)の素早さはなみではないのだ。
しかし、ここで嫁はやってのけた。目の前に来た父チュウのしっぽを素早くつかむと、手足を延ばしたまま父チュウはその動きを完全に止め、棒のようになった。これに、嫁&私、爆笑。あえなく捕えられた父チュウは家族のもとへ返され軟禁状態とされた。
そして、ここで困ったのはチュウ一家の処遇である。彼らは、間違いなくペストである。野生動物保護の基準で言うと、最も関心の低い”Least concerned”に分類される。処分するのが全うである。
が、この目である。
立場上、詳細は述べないが、これだけは言っておこう。
私は、食べるもしくは研究という目的を果たさない殺生は、一切しない人間である(蚊とハエは除く)。
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